本研究では、下記の6項目の研究を推進する。(1)我々が世界に先駆けて直径1cm以上の大型バルク金属ガラスの創製に成功したZr、Pd、Mg、Fe-Co、Ni、Cu、Ptの最大直径をさらに増大させること、(2)今日まで1cm以上の直径をもつ大型バルク金属ガラスが得られていない新しい合金系で1cm以上の臨界直径をもつ多くの新合金を見出すこと、(3)詳細な構造解析により構成原子の中距離秩序性を解明してcm級のバルク金属ガラスが生成する支配因子の解明と合金設計法の確立を目指すこと、(4)大型バルク金属ガラスの応用のための基礎的知見の確立を目指して、独特な作製プロセスの開発、機械的、物理的、化学的、磁気的、光学的諸性質を調査して、各特性において最高の機能を発現するcm級のバルク金属ガラスの組成、構造および組織的特徴の確立を図る。(5)粘性流動加工性をはじめとする接合加工性について調査して、金属過冷却液体加工技術におけるcm級大型金属ガラスにおける特徴を解明すること、ならびに、上述の基礎的知見からcm級バルク金属ガラスの応用化、工業化を図ること、である。これらの成果に基づいて、新規なcm級の大型バルク金属ガラスの材料科学・工学の基礎の確立を目指す。
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