再生可能資源であるバイオマスから燃料や化学品を合成できれば意義深い。特に、豊富かつ食料と競合しないバイオマスであるリグノセルロース(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)の有効利用方法の開発が望まれる。そこで、報告者は以下に示す研究計画を立案した。(1)担持金属触媒によるセルロース分解により、ソルビトールなどの糖アルコールの選択的な合成をめざす。(2)セルロースの加水分解(糖化)によりグルコースを収率よく与える触媒の開発を行う。さらに、酵素法と組み合わせて、有用化合物合成を行う。(3)ヘミセルロースの分解により、C5糖アルコールの合成をめざす。(4)触媒法セルロース加水分解の反応機構を検討する。(5)バイオディーゼル合成の副生物であるグリセリンの分解について、触媒を用いて検討する。(6)原料として廃材・稲ワラなどの未利用バイオマスを用いて、分解反応を行う。
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