研究概要 |
1.運動論的輸送モジュール(TASK/FP)に乱流輸送による空間拡散を取り入れるとともに,速度分布関数を用いて核融合反応率を正確に評価することを可能にした.そしてITERプラズマにおける複合加熱のモデリングに適用し,空間拡散による加熱分布幅の増大を定量的に示すとともに,DD核融合反応によって生成された高速イオンがイオンサイクロトロン波によってさらに加速されることを示した. 2.波動伝播解析モジュール(TASK/WM)の並列処理による高速化を実現するとともに,ドリフト運動論的誘電率テンソルを導入し,低周波アルヴェン固有モードの線形安定性解析に着手した. 3.粒子軌道追跡コード(GNET)の並列処理による高速化を実現するとともに,ヘリカル配位におけるアルファ粒子の閉じ込めやイオンサイクロトロン波によるポロイダル流駆動等の評価を行った. 4.拡散的輸送モジュール(TASK/TR)にシンクロトロン輻射損失評価ルーチンを組み込み,ITERプラズマにおける電流立ち上げと加熱・電流駆動の統合シミュレーションを行った.さらに径電場の効果を取り入れた新古典輸送係数評価ルーチンを組み込み,ヘリカル系プラズマにおける輸送シミュレーションを行って,実験データと比較した. 5.ITERに向けた統合モデリングコード開発に協力するとともに,APS会合,ITPA会合,日米ワークショップ等で研究成果を発表した.また,タイおよび韓国における研究グループとの統合コードTASKを用いた共同研究に着手した. 6.並列処理計算装置を導入し,中規模並列計算能力を増強するとともに,解析用端末を整備した. 7.2名の特定研究員を雇用し(1名は4月から,もう1名は8月から),ヘリカル系プラズマの輸送シミュレーション研究や流れを取り入れた平衡コードの開発等に従事させた.
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