本研究は在来型の高温低密度での制御熱核融合点火のシナリオとは異なった超高密度低温で点火を行う科学的モデルを提示することを目的としており、従来の温度2億度、密度150兆個/ccという点火条件の目安に対して、工学的要求を画期的に下げることのできる温度8000万度、密度600兆個/ccという革新的な制御熱核融合点火シナリオの提示を目指す。 超高密度低温での炉心プラズマは、深刻な壁熱負荷を軽減させ、核融合反応生成物であるアルファ粒子を含めてプラズマの閉じ込め特性に優れた革新的な運転領域を可能とし、核融合実証炉の実現への要件を緩和しうる。 本研究では高性能固体水素ペレット入射装置を開発し、大型ヘリカル装置に導入する。固体水素ペレット入射を用いた高温プラズマへの粒子供給実験を行うことによって、超高密度プラズマの定常保持実証と密度限界の同定を行う。実験データの取得、解析に当たっては理解及びモデルの外挿性を担保することに留意し、半経験的な相似則を導きだすことによって、核融合プラズマにおける燃焼シナリオを提示できるものとする.
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