研究課題
Mg2+チャネルMgtEの膜貫通ドメインのみを調製し、LCP法により結晶化を行った。得られた結晶をSPring-8 BL32XUにて2.4A分解能で構造を決定した。その結果、イオン透過孔中でMg2+は完全水和状態で認識・結合しており、MacKinnonらがカリウムチャネルで示した、脱水和状態とは異なっていた。しかし、イオン透過孔の細胞外側は孔が狭くなっており、完全な開状態ではなかった。一方、MDシミュレーションでは、イオン透過孔がねじれる様な動きをして、開孔することが示唆された。さらに、MgtEの細胞質ドメインのうちNドメインのみを欠失した変異体(開口率80%)に特異的に結合する抗体を、京都大学岩田研究室との共同研究で作成し、複合体の結晶化を行ったところ、有望な結晶の作成に成功した。光駆動型カチオンチャネルであるチャネルロドプシン(ChR)をLCP法を用いて結晶化し、結晶構造を2.3Å分解能で決定した. ChRは負の電荷表面を持つイオン透過孔を持っており、その細胞質側が2つのゲートによって塞がれていることが判明した.構造に基づいて変異体を作製し、ヒト細胞上でパッチクランプ解析を行った結果、この透過孔が実際に陽イオンを輸送することを明らかにした。さらに、光照射によりチャネルが閉構造から開構造に変化する機構を解明した。Secトランスロコンと協働するSecDFに関して, 3.3Å分解能での結晶構造を解明した.生化学的解析により,SecDFは,SecAが変性したタンパク質をSecYEに押し込んだ後の,タンパク質膜透過後期過程を,プロトンの濃度勾配のエネルギーを用いて促進する機能を持つことを明らかにした.さらに,パッチクランプ解析と蛍光分光解析により,SecDFがプロトンを輸送し,これを駆動力としてタンパク質の膜輸送を促進するシャペロンとして働くことを実証した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature
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doi: 10.1038/nature10870
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Acta Crystallogr. F
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doi: 10.1107/S1744309111031885
http://www.nurekilab.net/