研究課題/領域番号 |
20227006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
貝淵 弘三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00169377)
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研究分担者 |
渡辺 崇 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10402562)
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90304170)
森 大輔 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任講師 (00381997)
西岡 朋生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70435105)
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キーワード | シグナル伝達 / 脳・神経 / 細胞骨格 / 極性 / プロテオーム / 小胞輸送 / 遊走 |
研究概要 |
生体を構成する種々の細胞は特徴的な極性を獲得し固有の生理機能を担っている。遊走する細胞、神経細胞や上皮細胞がその顕著な例である。本研究では遊走細胞と神経細胞をモデルシステムとし、細胞極性の獲得・維持機構を制御するシグナル伝達機構の解明を行う。また、細胞極性の形成に関与する細胞骨格(主に微小管)と選択的蛋白質・小胞輸送の制御機構の解明を目指す。 1.遊走する細胞の極性形成機構の解析 我々は、遊走細胞の前後軸形成や維持に関わる+TipsであるCLASP2がIQGAP1に結合すること、両者の結合がGSK3βによるCLASP2のリン酸化により抑制されることを見出した。CLASP2とIQGAP1は遊走細胞のリーディングエッジで共局在するが、リン酸化CLASP2はリーディングエッジや微小管成長端に濃縮しなかった。以上のことより、遊走細胞前方では微小管成長端がCLASP2を介してリーディングエッジのアクチンメッシュワークに存在するIQGAP1にターゲティングすることでアクチン繊維と相互作用し、この相互作用はGSK3βにより調節されていることが示された。 2.神経細胞の極性形成機構解析 神経軸索/樹状突起への選択的輸送は神経細胞の極性形成・維持に重要であるが、そのメカニズムは不明の部分が多い。我々はこれまでにCRMP-2が軸索の順行性のモーターであるキネシン-1と結合して順行輸送に関わることを示してきたが、今回キネシン-1以外に逆行性のモーターである細胞質ダイニンにも結合することを見出し、CRMP-2が逆行輸送の調節を介しても軸索の形成や維持に役割を果たすことが示唆された。
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