研究課題
基盤研究(S)
ABC蛋白質は、12~17の膜貫通αへリックスとアミノ酸配列がよく保存されたATP結合領域をもつトランスポーターファミリーであり、ATP Binding Cassetteを略して名付けられた。大腸菌からヒトまで、地球上のほぼすべての生物で重要な機能を果たしている。ヒト染色体上には48~49種類のABC蛋白質遺伝子が存在する。これまでに、我々の研究を含め世界の多くのグループの研究から、多くのABC蛋白質が内在性脂質の体内輸送に関与し、それらの破綻がさまざまな疾病と密接に関係していることが分かってきた。しかし、脂溶性物質を基質とする輸送体の直接の基質を同定することは容易ではなく、いまだ輸送基質や生理的役割、制御機構が解明されていないABC蛋白質が数多く存在する。特に、コレステロールなどの脂質輸送に関わるABC蛋白質の異常は、動脈硬化、糖尿病、皮膚障害、精神障害、老人性の失明など現在人がかかわる多くの疾病に関係する。ABC蛋白質の作用機構、制御機構、生理的役割を明らかにすることは、現在人がかかわるこれらの疾病の予防や治療を考える上で重要である。本研究は、疾病との関係が報告されているにもかかわらず基質やメカニズムが解明されていないABC蛋白質の輸送基質の同定、輸送機構、制御機構を解明するとともに、生理的役割を解明する。さらに、相互作用する化合物や制御方法を開発することによって、動脈硬化、糖尿病、皮膚障害、精神障害、老人性の失明など多くの疾病の予防や治療に貢献することをめざしている。
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http://www.biochemistry.kais.kyoto-u.ac.jp/