研究課題/領域番号 |
20228004
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
野並 浩 愛媛大学, 農学部, 教授 (00211467)
|
研究分担者 |
平岡 賢三 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (80107218)
|
キーワード | 植物 / 細胞・組織 / 農業工学 / 探針エレクトロスプレー / 質量分析 / スピーキング・セル・アプローチ / 膨圧計測 / プレッシャープローブ |
研究概要 |
研究代表者の野並を中心に、これまでのプレッシャープローブの改造を試みた。通常は、プレッシャープローブのキャピラリーとして外径1mmのものを使用してきたが、このキャピラリーに替えて、キャピラリー電気泳動装置などに使われているナノサイズフユーズドシリカ製キャピラリーへの代替を行った。キャピラリー装着部をHPLCのフェルトが使えるように加工し、HPLC用フェルトコネクターにプラスチックのPEEKチューブを連結し、PEEKチューブを連結する部分を圧力センサー付きセンサーチャンバーに連結した。センサーチャンバーには、マイクロメーターを連結したプランジャーを動かすことができるようにし、ピコリットル以下の溶液を正確に採取する操作を実現した。チューリップ球根の鱗片細胞においてプレッシャープローブで採集した溶液に含まれるフラクタンを分析し、業績として発表した。チューリップ鱗片組織の切片をマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI MS)で直接分析した結果と、細胞レベルで採集し、質量分析した結果を比較することで、細胞レベルで正確に質量分析できることを確認した。また、細胞溶液のイオン化に必要なレーザーイオン化のためのマトリックス物質の検討を行い、新たにカーボンナノチューブを初めとするレーザーイオン化マトリックスの開発を行った。 分担者の平岡により、探針エレクトロスプレーの設計および使用方法の検討がなされ、生体サンプルの計測が数多くなされた。チューリップ鱗片組織を使っての計測を行ったところ、プレッシャープローブを用いての細胞レベルでのMALDI MS分析結果、およびMALDI MSでの組織直接分析で得られた結果と同等結果が探針エレクトロスプレーイオン化質量分析で得られることが分かった。
|