医薬品は極めて高度かつ多領域にわたる科学を集約した人類の叡智の結晶であり、全人類の福祉に直結するものである。実際の化合物を最小限の環境負荷でグローバルに供給するには既存の有機合成化学技術に抜本的躍進が必要であり、医薬品開発における最重要課題の一つである。多核不斉触媒の特徴を最大限に活用した新たな多核不斉触媒の創製に加え、触媒の反応促進機構及び立体選択性発現機構を種々の分光学的手法を用いた包括的なメカニズム解析により明らかにし、新たな触媒概念の礎となる新知見を積極的に見出す。さらに、独自に開発した不斉触媒反応を基盤とした医薬の実践的化学合成へと展開する。
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