研究課題
シグナル伝達分子の多くは、ホルモンやサイトカインなどの生理活性物質のみならず物理化学的ストレスによってもその活性が制御されるが、ストレスセンサーの実体ならびにタンパク質によるストレス認識の構造的ならびに時空間的分子基盤については不明な点が多く残されている。本研究は、ストレス応答性キナーゼならびにフォスファターゼの機能解析を中心テーマとして推進し、酸化ストレス、小胞体ストレス、浸透圧ストレスなどの物理化学的ストレスが如何にしてリン酸化シグナルに変換され、またストレスシグナルが如何にして細胞機能を司るかという、基本的な生命現象の分子的実体の解明を目指した。最終年度は、1. ASKファミリーシグナルソームの生化学的解明、2. ASK1による小胞体ストレス依存性細胞死誘導機構の解明、3. ASK3による浸透圧ストレス応答機構の解明に焦点を絞って研究を展開し、それぞれの項目について、ストレスシグナルの新しい制御機構の解明に進展がみられた。より具体的には、ASKファミリーシグナルソームについてこれまでに同定した因子に関して解析を行ない、活性化にどのような影響をもつかを重点的に検討した。ASK1の活性化制御がリン酸化・脱リン酸化によってなされるのみならず、ノックアウト動物も用いてユビキチン化による翻訳後修飾もASK1の活性化制御に重要であることを解明した。さらに、ASK1による小胞体ストレス依存性細胞死誘導機構について、ASK1の下流での運動神経細胞死実行因子の探索を行い、複数の候補分子群を得ることに成功した。また、ASK3リン酸化活性制御因子、基質分子の同定をsiRNAスクリーニング系を用いて行い、候補分子群の同定を進めるとともに、浸透圧ストレスシグナルの候補分子について機能解析を進め、大きな成果を得た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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