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2008 年度 実績報告書

ガイダンス因子による免疫制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20229007
研究機関大阪大学

研究代表者

菊谷 仁  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80161412)

研究分担者 安居 輝人  大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (60283074)
水井 理之  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30423106)
キーワードセマフォリンファミリー / 分子標的 / T細胞 / 気道アレルギー / 免疫制御 / Th2
研究概要

セマフォリンファミリーは神経軸索に対して化学反発活性を発揮する分子群であるが、多くのメンバーが免疫反応の制御においても機能していることが明らかになりつつあり、セマフォリンとその受容体が自己免疫疾患、アレルギー疾患などの免疫病治療の分子標的となる可能性が出てきた。本研究はセマフォリン分子による免疫制御の全容解明と免疫病の標的治療への応用を目指して計画され、本年度は免疫病発症におけるクラス4型セマフォリンSema4Aの役割を解析した。我々のこれまでの研究から、Sema4AがTh1/Th2分化において重要な機能を果たしていることが明らかになっている。そこで、過剰なTh2型免疫反応によって引き起こされると考えられている気道アレルギーにおけるSema4Aの役割を解析した。卵白アルブミン(OVA)であらかじめ免疫したBALB/Cマウスに経鼻的にOVAを投与することにより気道の過敏性すなわち喘息用の症状を誘導することができる。OVA感作したSema4A欠損BALB/Cマウスに経鼻的にOVAでチャレンジしたところ、野生型マウスに比べより顕著な気道抵抗の上昇と肺コンプライアンスの低下が認められた。また、Sema4A欠損マウスの気管支肺胞洗浄液中の好酸球数、IL4濃度も野生型マウスに比べ有意に上昇しており、所属リンパ節中のT細胞によるIL4産生についてもSema4A欠損マウスでより亢進していた。さらに、感作した野生型マウスをOVAでチャレンジする時に、Sema4A-Fcタンパクを投与したところ、Th2反応の低下だけでなく気道過敏性の低下も認められた。以上の結果より、Sema4AはTh2型の気道アレルギーにおいて抑制的な機能を有することが明らかになった。この結果は、Sema4Aとその受容体がこれらの疾患の治療の分子標的となりうる可能性を示している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Immune semaphorins : novel features of neural guidance molecules.2009

    • 著者名/発表者名
      Mizui, M., et al.
    • 雑誌名

      J. Celin. Immunol., 29:1-11, 2009 29

      ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bimodal regulation of T cell-mediated immune responses by TIM-42008

    • 著者名/発表者名
      Mizui, M., et al.
    • 雑誌名

      Int. Immunol., 20:695-708 20

      ページ: 695-708

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuropilin-1 : the glue between regulatory T cells and dendritic cells?, 28 : 302-303, 2008.2008

    • 著者名/発表者名
      Mizui, M., H. Kikutani
    • 雑誌名

      Immunity 28

      ページ: 302-303

    • 査読あり
  • [学会発表] Semaphorins and inflammatory resonses.2008

    • 著者名/発表者名
      Kikutani, H.
    • 学会等名
      EMBO Workshop "Semaphorin Function & Mechanisms of Action"
    • 発表場所
      Cernay, France
    • 年月日
      20080508-20080511
  • [備考]

    • URL

      http://www.biken.osaka-u.ac.jp/act/act_kikutani.php

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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