| 研究概要 |
コンピュータを装着して常時情報支援を受けるウェアラブルコンピューティングでは,医療現場や日常生活において各種の生体情報を取得するセンサや情報提示デバイスを用いて便利に情報支援を行える.一方,ディスプレイの故障やシステムのバングアップによる数十秒間の表示停止が医療事故など致命的な結果につながる可能性もある.そのため本研究では(1)そのとき利用可能な機器の組合せに応じて作業環境の状態を途切れることなくて維持すること,(2)ユーザからの入力に対し,即応性・確実性の高い制御を行うこと,が求められる.これらの解決を行う本研究において,本年度は(1)周辺デバイスの故障を認識して,利用可能なセンサに切り替える機能をもつデバイスの設計と実装,(2)ユーザ状況を考慮した知覚影響度に基づく情報提示手法,(3)デバイス間を直接接続する中間デバイスの設計,の3つのテーマを推進した.(1)および(3)に関しては,PCとデバイス間に中間デバイスを配置することで,PC停止時にも出力デバイスへの情報提供が行える枠組みを実装し,動作を確認した.また,NET環境で作成したプログラムがそのまま実行できる小型デバイスを開発した.来年度は開発した小型デバイスを入出力デバイスとして用い,中間デバイスを用いなくてもPC停止時のデータ提供を実現する.(2)に関しては昨年度提案した提示情報を動的に変換する枠組みにおける状況認識部分を拡張し,さまざまな状況に対応できるようにした.来年度はそれらの状況におけるデータ評価関数を定義し,実際に適応的なデータ変換を実現する.
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