研究課題/領域番号 |
20240012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河口 洋一郎 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (50241807)
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研究分担者 |
堀 聖司 東京大学, 大学院・情報学環, 特任助教 (40396859)
米倉 将吾 東京大学, 大学院・情報学環, 助教 (60456192)
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キーワード | デジタル茶室 / 花鳥風月 / 五感の増幅 / 空間認識 / CGディスプレイ / アクチュエーター / LED / シリンダ |
研究概要 |
本研究では閉鎖空間からの開放性知覚の創発のためのデジタル茶室の創出を目的とし、平成21年度においては、茶室における凹凸運動とCGの茶室表面への投影を両立させるための技術として、LEDとシリンダを組み合わせることによって、表面を凹凸変形させる事が可能なCGディスプレイの試作実装を行った。 平成22年度の実績としては、平成21年度に実施した実験的研究を基にして、大きく下記3つを実現した。 1.3×3×3m程度の空間を埋め尽くす事の出来るLED形式の"ディスプレイ"を実装した。 2.上述のLEDディスプレイをホストPCから制御可能な制御機構を実装した。 3.アクチュエーターによってLEDディスプレイの表面変形を実装した。この際、最大変形距離が50cm以上となる事を目指した。まず、直動型のシリンダによる設計・実装を行い、加えて各LEDがシリンダによって結合されるタイプの設計・実装を行った。 この実績により、翌年度以降の下記研究目標の遂行に繋げることができた。 4.大空間をLED形式の"ディスプレイ"によって構成する場合、視認距離・解像度が問題になる。このため、"ディスプレイ"表面にブラー効果を取り入れる事により解決を試みる。なお、「閉鎖空間からの開放性知覚」を起こす事を可能とするために十分であるための構成論構築を試みる。 5.滑らかかつ幽玄なディスプレイの変形のための、ディスプレイ表面の変形の制御方法を検討する。 6.花鳥風月実現するための効率的コンテンツを検討する。 結果として、現在のところは計算機の限界、VR提示のためのデバイスにおける物理的拘束などの理由により実現不可能である「空間の開放性の知覚」に寄与し、バーチャルリアリティ(VR等における臨場感の創出に貢献する研究成果となった。
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