研究分担者 |
岩崎 敦 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30380679)
八槇 博史 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 准教授 (10322166)
渡辺 隆裕 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (70220895)
菊池 浩明 東海大学, 情報理工学部, 教授 (20266365)
菅原 俊治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70396133)
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研究概要 |
本研究では情報ネットワーク経済のためのメカニズム設計に関する理論研究を主として,理論研究で得られた結果を検証するために,エージェントシミュレーション,被験者実験を実施している.本研究の最終目標であるメカニズムジェネレータの実現には,メカニズムデータベースに含まれる要素メカニズムの開発が必要である.前年度に引き続き本年度でも,情報ネットワーク経済で用いられるメカニズムに関して,研究を推進した.とくに21年度は主に入札/オークションおよび関連する周辺課題を対象に研究を進める一方で,9月と3月にミーティングを行い,お互いの進捗の共有を図った.とくに,9月には早稲田大学船木由紀彦氏を招き,協力ゲームの観点から見たメカニズムデザインに関する最新情報を解説して頂いた. 本研究グループの主要な研究成果を概説する.横尾,岩崎らは架空名義入札に代表されるネットワークの匿名性を利用した不正行為の影響を受けない入札メカニズム固有の特性(効率性の最悪値など)を解析した.加えて,メカニズムジェネレータの基盤技術である自動メカニズムデザインの実装し,その出力結果を一般化する手法を検討した.松原は,Yahoo!オークションの入札履歴などの実データから参加者のモデルを推定し,オークション主催者にとって最適な即決価格を提案する手法を検討した.八槇と菊池は参加者の個人情報を秘匿する自動トラスト形成手法を提案した.ここで自動トラスト形成とはオークションなどの取引する前に顧客と企業などのお互いを認証する証明書のやり取りのプロトコルを指す.お互いがもつ様々な型の証明書を細かくやり取りすることで,お互いの個人情報を秘匿できる.しかし,証明書のやり取りにはメモリ爆発の恐れがあるため,それを抑制する手法を提案するとともに,証明書のやり取りをセキュアにするスキームを検討した.
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