研究課題
本研究の目的は、技能の伝達において、熟練者本人さえも意識していない知識を、最新のメディア技術を用いて疑似追体験可能な形でデータベース化し、学習者に効率的に伝達するための方法論を明らかにすることである。具体的には、本研究は以下の4つのサブテーマから構成される。(1)ウェアラブルコンピュータによる人間の主観的情報を含んだ体験の記録(2)ユビキタスカメラによる自由視点映像データを含む客観的記録(3)主観的記録と客観的記録の統合によるライフログデータの構築(4)追体験者へのライフログデータの提示手法、およびフィードバック手法の構築最終年度では、(4)追体験者へのライフログデータの提示手法、およびフィードバック手法の構築、に取り組み、以下に挙げるバーチャルリアリティ、ミックストリアリティ技術によって、学習者の学習段階に応じて熟練者のデータを体感するインタフェースを構築した。・熟練者の作業を客観的・主観的に追体験させるバーチャルリアリティ環境として、計測・分析した熟練者の技能情報を客観的記録映像、もしくは作業環境に可視化・重畳することで学習支援を行うシステムを構築し、明文化されていない観察困難な技能情報の教示を可能にした。・学習者の作業時に熟練者の内部情報を体感させるミックストリアリティ環境として、一人称視点から熟練者の視覚・聴覚・力覚情報を体感するウェアラブルコンピュータを構築し、従来習熟に長期の鍛錬を要した基礎技能の学習を効率化することができた。・学習者の習熟効果およびデータベースの利用効率をもとにデータの抽象化レベル検討した。ミックストリアリティ技術を用いた技能教示法において、習熟効果に応じて段階的に提示情報の粒度を細かくしていくことで、効率的な学習に寄与する傾向が得られた。
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日本バーチャルリアリティ学会論文誌
巻: Vol.16,No.4 ページ: 643-652
ヒューマンインタフェース学会論文誌
巻: Vol.12, No.3 ページ: 249-258