研究課題
タンジブルなアンドロイドインタフェースを実現するための研究ステップとしては、1:人工触感ディスプレイと触感センサという二つのデバイスの開発2:1のデバイスを統合した触感コミュニケーションのシステム構築と評価実験の二段階が存在する。昨年度は主として以下について研究を進めた。(1)触感を検出評価する触感センサの開発(担当:才脇、菅沼)才脇、菅沼は印刷型配線技術(プリンテッドエレクトロニクス)という新技術を導入して、高精度化された新型触感センサの開発に取り組んだ。また、才脇はこうした触感センサを用いて、主としてアパレル系素材によって与えられる刺激から抽出できる信号スペクトルのパターン分類法について評価・検討した。従来の皮膚センサはこのような微妙な触感を計測することを目的としていないため、対応できるような高感度化、高精度化と特徴抽出のための信号処理について検討を進めた。(2)触感を表現するインタラクションの分析(担当:才脇、石黒)これまで触感検出時における人間のリアクション(主として表情と刺激に応じた体の動作)について、多くの被験者を対象に分析を試み触感コミュニケーションを実現するための動作について検討してきた。その結果、触感のような微妙な刺激に対する応答は、これまでロボットの表情表現で取り組まれてきた喜怒哀楽のように動作が大きく判別しやすいものではなく、さりげなくささやかな変化に注目すべき事が明らかになった。
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International Journal of Social Robotics
巻: Vol.3,No.2 ページ: 143-154