研究課題/領域番号 |
20240023
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
郷原 一寿 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40153746)
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研究分担者 |
内田 努 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70356575)
永山 昌史 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70374585)
塩谷 浩之 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90271642)
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キーワード | ニューラルネットワーク / ダイナミクス / 培養神経細胞 / マルチスケール |
研究概要 |
最終年度であることから、これまでの研究をさらに進めつつ、残された課題についてまとめる作業を主に進めた。 以下にまとめる。 (1)神経細胞長期培養システムの構築 多電極アレイ上で、数ヶ月以上の長期に渡る培養の手法をほぼ確立した。 (2)時間ダイナミクス計測システムの構築 長期間連続して、インパルスが計測できるシステムを構築した。インパルスデータをもとに、これまでの解析に加えて、リターンマップを中心にした時系列データ解析を行い、同期バーストの特徴を定量化できる可能性が得られた。 (3)空間ダイナミクス計測システムの構築 昨年度に続き、免疫蛍光染色イメージをもとに、発現量の定量化を進めた。その結果、ネットワークの成長過程を、ニューロンの数、プレおよびポストシナプスの発現量として、定量的に解明することができた。また、光学顕微鏡によるタイムラプス、免疫蛍光染色、さらにSEM(走査電子顕微鏡)で同一箇所をイメージングすることで、ミリからナノスケールまで、シームレスにイメージングする手法を考案し、実験的に可能であることを実証した。 (4)パターニング法 VUVリソグラフィによって、有機シラン層を微細加工し、ニューロンのネットワークを特定な配置に制御する、パターニング方法について研究を行い、基礎的知見を得ることができた。 ニューラルネットワークの基本問題に取り組むための実験的研究基盤を独自に構築することが一つの大きな目標であったが、計画通り、本研究で目的とした実験系の構築はほぼ終了し、さらにそれを適用し、重要な結果が得られてきている。今後は、本研究によって構築されたシステムおよび方法に対して、さらに改良を加えることで、時空間ニューロダイナミクスの基本的理解・解明と応用への展開が期待できる。
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