漢字文化圏の法に関する国際協力による法令データの蓄積 韓国法制処との協定に基づいて、主要韓国法の原文とその英訳を入手し、韓国法Bilingual KWICの実験版を構築した。台湾中正大学との研究協力に基づき、主要台湾法の原文とその英訳を入手し、台湾法Bilingual KWICの実験版を構築した。これによって、日、韓、台の3カ国の漢字文化圏法令データの実験的な比較が可能となった。中国についてのデータは、今後の課題である。 これらのデータにどのような比較法研究上有益なデータを注釈として追加する課については、意見交換を続行しているが、その具体化は、当初の計画より遅れ、平成22年度の研究で推進する。注釈の基礎となる英文データについては、CIAのWorld Factbookなどのデータベースが信頼性のある世界各国の基本情報を提供しているため、その有効活用の方法を検討した。 比較法研究のための理論的考察 どのような注釈を提供すれば、より適切な比較法研究を行うことができるかについて、論考を3点発表した。 世界の法情報研究センターとの協力関係 韓国の法制処および台湾の中正大学と研究交流を行い、それぞれの言語によるBilingual KWICの構築、そのメリット、KWICを使った比較法研究の可能性について、検討を進めた。 日本法の標準対訳辞書の強化に関連する研究(英文官報の調査分析) 戦後、占領軍駐留時代に刊行された英文官報について、法務図書館等の協力を得て、電子化の作業を進めた。その作業の半分は終了し、平成22年度に残りの半分の電子化を行う計画である。英文データをテキストデータに変換し、日本語のデータと対応させる二言語のパラレルコーパスの構築は、平成22年度以降の作業である。
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