研究課題/領域番号 |
20240044
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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研究分担者 |
橋本 守 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70237949)
安井 武史 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70314408)
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
紀ノ岡 正博 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40234314)
岩田 哲郎 徳島大学, 大学院・ソシオサイエンス研究部, 教授 (50304548)
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キーワード | 分子イメージング / SHG顕微鏡 / コラーゲン分子配向 / 細胞培養 / CARS顕微鏡 / 非線形光学現象 / リポゾーム / 皮膚 |
研究概要 |
複雑系の中から所定の生体分子を非侵襲・非染色(すなわち、対象物に影響を与えることなく)、生きたまま、リアルタイムで認識し、その形態・高次構造および変化をイメージングする「分子イメージング顕微鏡技術」が分子医療や再生医学を初めとする次世代の医療のみならず、ポストゲノムの生命現象を研究するうえで必要不可欠な技術として強く求められている。このような背景で本研究を実施し、今年度は以下の成果を得た。 (1)顕微鏡開発と応用に関する研究について 1.SHG顕微鏡に関して、高感度汎用のシステムを構築した。光源として長波長のフェムト秒レーザーを用いることで試料への深さ方向浸透性が向上し、また光エネルギーも減少したため生体に対する安全性が確保された。そこでヒトへのinvivo計測実施を部局内の倫理委員会へ申請した。応用面としては、光老化による皮膚のしわに関する研究を行っており、マウス皮膚コラーゲンの動態を本顕微鏡によって観察・調査している。 2.CARS顕微鏡に関してはテレビレートで高SN比のリアルタイム計測可能なシステムを構築した。その評価のため、リポソームのDOPC/DPPC混合脂質リポソームの脂質分布計測を行った。 3.多次元ベクトル顕微鏡に関する研究を進め、リポソーム膜構成分子方向の測定を通じてその性能を評価した。 (2)細胞の培養制御に関する研究について 1.軟骨細胞をタイプIコラーゲンゲル培地に播種し、コラーゲンの変移を上述のSHG顕微鏡で可視化した。さらに蛍光染色によって細胞が作るタイプIIコラーゲンを可視化して、それぞれの相関を考察した。この結果を基に、培養条件を検討している。 2.変形性関節軟骨が病変により変性する様子をSHG顕微鏡によって追跡した。ここでは軟骨に存在するタイプIIコラーゲンから得られる偏光SHG信号を取得し、従来の知見と比較考察した。その結果、本手法が軟骨変性の動態定量の指標となりうることを確信した。
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