研究分担者 |
近江谷 克裕 産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 主幹研究員 (20223951)
北村 信人 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80447044)
小野寺 伸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任講師 (00359481)
権 赫準 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (20455629)
黒川 孝幸 北海道大学, 大学院・理学研究院, 特任助教 (40451439)
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研究概要 |
(1)前年度に作製したDNAアレイを用いて、PAMPS/PDMAAm DNゲルで誘導した家兎自然再生軟骨(2および4週)に発現している遺伝子を網羅的に解析し、同様に解析した成熟家兎正常軟骨および幼弱家兎正常軟骨のそれと比較した。前者との比較で5倍以上の発現差を有する遺伝子は全遺伝子の約5%、後者との比較で3-4%であった。その中で発現差トップ30の遺伝子の中から軟骨分化マーカー候補(Col2,Col5,Col10,Agc1,Crtl1,Dcn,Comp,Prg4,Cilp,Ctgf,Pthr1)を探した。 (2)PDMAAmゲル、PAMPSゲル、PAMPS/PDMAAm DNゲルのin vivo軟骨自然再生誘導効果を、組織学的scoreおよび分子マーカーmRNAの発現に関して比較した。効果は後2者のゲルに認められ、DNゲルで最大であった。その結果、負電荷を持つPAMPSの材料化学的特性、およびDNゲル化したことによる物理学的特性が重要な役割を果たすことが解った。 (3)PAMPSゲルとPDMAAmゲルからなる種々のcopolymerゲル上でATDC5細胞をインシュリン添加および無添加培地で培養し、軟骨マーカーの発現を比較した。その結果、インシュリン非存在下でPAMPSゲルに強力な軟骨への分化誘導能があることが解った。またインシュリン存在下ではPDMAAmゲルに分化促進能があることが解った。 (4)前年度に作製した多色発光プローブを用いて、時計遺伝子Bmal1、Per2、Hes1および軟骨マーカー遺伝子Col2、SOX9の発現をリアルタイムイメージングによって観察した。その結果、軟骨分化が始まると、これらの遺伝子にUltradianリズムが発現し、それらは軟骨のパターン形成に関与していることが解った。そこでもっと上流でこれらのUltradianリズムを規定する因子の存在が推定され、新しい多色発光プローブの開発を進めている。
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