研究課題/領域番号 |
20240045
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
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研究分担者 |
近江谷 克裕 北海道大学, 産業技術総合研究所・生物プロセス研究部門, 副研究部門長 (20223951)
北村 信人 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80447044)
小野寺 伸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任講師 (00359481)
権 赫準 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (20455629)
黒川 孝幸 北海道大学, 先端生命科学研究院, 特任助教 (40451439)
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キーワード | 関節軟骨欠損 / 自然再生 / 硝子軟骨 / 分子機序 / 高機能生体材料 / ダブルネットワークゲル |
研究概要 |
(1)ActinプロモーターにATP依存発光プローブである甲虫赤色ルシフェラーゼ(LF)遺伝子(SLR)を結合させた発光レポーター(Actin-SLR)、およびFRETを利用したATP濃度センサー蛍光プローブ、Actinプロモーターに分泌型LF遺伝子(Cluc)を結合させた発光レポーター(Actin-Cluc)を開発し、ATDC5細胞の軟骨分化過程をモニタリングしたところ、ATPがultradianリズムを持って振動し、ATP分泌の活性もこれと同じ位相と周期で振動した。 (2)間葉系幹細胞由来C3H10T1/2細胞を、標準培養液およびBMP-2添加培養液を用いて培養した。DNゲル上の培養ではいずれの培養液を用いても7日目にゲルから遊離しつつ細胞塊を形成し、リアルタイムPCR解析で2型Collagen(Co12)およびAggrecan mRNAの高発現を認め、免疫蛍光染色でもCo12が染色された。ポリスチレン上ではいずれの培養液を用いても細胞は単層で増殖を続け、細胞の凝集やCo12の発現を認めなかった。 (3)GFPおよびLFを発現する骨髄細胞を持つキメラマウスを開発した。その有用性を評価するため脳炎症モデルを用い、細胞浸潤動態をfluorescence imaging(FLI)およびbioluminescence imaging(BLI)によってin vivo観察した。BLIでは細胞浸潤の増加が光強度の増加としてリアルタイムにモニターできた。この増加は病変部におけるLF activityの増加と一致した。免疫組織学的評価では、この細胞が脳へ浸潤しmicrogliaへ分化することが確認された。一方、FLIではこの細胞浸潤動態をモニターすることはできなかった。LFを発現する骨髄細胞を持つキメラマウスは、軟骨自然再生の機序を研究するためのin vivo BLT imaging toolになり得る。 (4)3年間の研究結果によって、DNゲルが生体内で誘導する関節軟骨自然再生現象の分子機序の一部が解明された。
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