研究課題
アプタマーやリボザイムなどの多くの機能性核酸はステム構造を有する。ステム構造制御することでこれらの核酸の機能をON-OFF制御できる可能性がある。既にガン移行性が確認されているPLL-g-Dexによるステム構造の制御を、ステムループ構造を形成する配列(DIS25)で評価した。この配列は、自己相補的であり2量体形成をする可能性がある。2量体形成は、未修飾のDIS25と蛍光色素(TAMRA)と消光剤(DABCYL)で修飾したT-DIS25-Dを混合して用いることで検出した。つまり、ステムループ構造を形成しているT-DIS25-Dの蛍光は消光するが、T-DIS25-DとDIS25が分子間で2重鎖を形成すると蛍光が回復する。PLL-g-Dexの非存在下では24時間インキュベーションしても、TAMRA蛍光を伴うバンドは観察されず、分子間ハイブリッドの形成は観察されなかった。この条件下における分子内ステムループおよび分子間二重鎖のTmの計算値は62℃および54℃であり、分子内ステムループ構造の方が安定なことと一致する。一方、PLL-g-Dexの存在下(N/P=2,6)では、移動度が低くかつTAMRA蛍光を伴うバンドが観察され、分子間二重鎖が優位に形成することがわかった。PLL-g-Dexは分子内ステムループ構造に比べ、分子間二重鎖構造をより安定化すると考えられる。つまり、ステム構造を有する機能性核酸の機能をPLL-g-Dexで制御できることが示唆された。
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