研究課題/領域番号 |
20240054
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (90089136)
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研究分担者 |
高橋 実 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (90171529)
田中 憲一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70363075)
片渕 竜也 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (40312798)
ジェラード ベングア 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (50402954)
林崎 規託 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (50334537)
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キーワード | 低侵襲治療システム / BNCT照射システム / 放射線工学 / 熱流動 / 液膜流 / ビーム応用 / 液体リチウム / 中性子工学 |
研究概要 |
本研究は、ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:以下BNCT)用の加速器を利用した中性子照射システム(以下加速器BNCT中性子照射システム)を実現するために不可欠な、長寿命の中性子発生ターゲットの開発を目的としている。具体的には、BNCTに優れた中性子照射特性を持っている7Li(p, n)7Be反応を液体リチウムの形で実現するため、その成立条件を、液体リチウムの挙動に近い水(平成20年度)と液体リチウム(平成21年度)の両方の実験から明らかにする。中性子照射特性並びにビームの発熱条件と熱除去の観点から定めた、幅50mm、長さ50mm、厚み(次の3種類; 0.5mm以上、0.080〜0.100mm、0.002〜0.010mm)、流速30m/sの液膜流の形成条件を、厚い順番に確認する。なお膜流の形成方法は、湾曲板に沿わせる方式(以下湾曲板流方式)と直接空中に吹き出させて形成する方式(以下直噴平流方式)で行う。 平成20年度の研究結果の概要は次の通りである。(1)2種類の多孔ノズル{ノズル直径が0.57mm(13個直列)と0.33mm(40個直列)}を製作しその特性を常温の水を用いて空気中で湾曲板流方式(湾曲板の曲率半径は10cmに固定)と直噴平流方式で確認した。(2)液膜表面の平坦性が得られやすいスリットノズル(液膜厚1.0mm、0.50mm、0.20mmの3種類)を試作し空気中で確認した。ノズル出口の液膜流の流速は、試験装置の能力の関係から5〜30m/sの範囲であった。湾曲板流方式が液膜流の安定形成に役立つことを確認した。(3)減速利用方式と直接利用方式それぞれのBNCT用照射場について模擬計算を実施し、BNCT用中性子発生ターゲットの周辺構造の寸法や形状の関係を明らかにした。(4)膜流形成実験装置部を設置する場所を確保するため、既設の液体リチウムループの整理を行った。また、液体リチウム膜流形成実験装置部の設計検討を実施した。
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