研究分担者 |
王 碩玉 高知工科大学, 工学部, 教授 (90250951)
井上 剛伸 早稲田大学, 国立リハセンター・福祉機器開発部, 部長 (40360680)
山海 嘉之 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (30183833)
鎌田 実 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20224644)
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
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研究概要 |
本研究では,個人差対応知能と環境認識知能の2つの知能を有する高齢者,障害者用の移動支援機器を複数開発し,その開発手法を標準化することを最終目的としている.初年度である特に,実機および知能アルゴリズムの開発を行った.具体的成果を下記に記す. 1.人モデリング担当 歩行運動中の足関節内返し軸の推定方法を提案し,歩行中の内返し方向モーメントを算出する手法を確立し,不整地路面歩行時の安定性を定量的に評価することができた.また,人間の足部と同等の足幅を持ち,アーチ構造をモデル化した人間形足部機構を開発し,2足ヒューマノイド・ロボットWABIAN-2Rによる人間らしい歩行に成功した. 2.屋内移動担当 (A)寝たきり支援機器:がん転移患者の寝返りを支援するロボットを開発し,EMGをもとに体幹回旋動作が抑制できることをX線画像により確認した. (B)転倒予防歩行訓練機器:転倒の原因と場所と年齢との相関性について調査し,制御工学の立場から予見機能と推論機能を考慮した転倒メカニズムを提案した. 3.近距離移動担当 (A)歩行機能拡大機器:個人差や環境パラメータの差異に対応できるよう,知的処理系を有する歩行移動・下肢動作支援システム,パラメータ調整アルゴリズムの開発を推進した. (B)車いす:脳性マヒ児を対象として,脚部動作の加速度を計測し,3動作の識別を可能とする自己組織化アルゴリズムを開発した. 4.遠距離移動担当 (A)移動範囲拡大機器:Tread-Walkを片麻痺患者に適用するために,個人の左右の歩行能力を定量化するトレッドミルを開発し,片麻痺模擬の健常者により効果を検証した. (B)電動スクータ:安全性と円滑性を両立する衝突回避を実現するため,ステレオカメラとレーザレンジセンサを用いて,将来の速度ベクトル変化を推定できる歩行者行動予測システムを開発した.
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