研究課題
本研究は日本ファッションビジネスの国際プレゼンスの低さとその原因の追究、その対応ならびにビジネススキームの構築にある。その考察の対象をラグジュアリブランド(以下メゾン)のおもに"プレタポルテ"ready-to-wear for high endに設定、ミラノ・パリ所在のメゾンの"プレタポルテ"設計過程・製造工程の現地実地調査をするとともに、ミラノ・パリのメゾン仕様の設計による日・伊仏プロトタイプの制作とその比較、また、標的メゾンの次期予測を兼ねた設計仕様による前掲同様の制作比較を試み、以下のことを推測した。(1)メゾンスティリスタがもつ特異な権限(後述設計・製造工程を実質的支配)、(2)メゾンstudio部門とatelier部門の機能分離(スティリスタの構想からランウエィショー見本制作に作業の分担)、(3)設計過程における逐次的改訂を予定(いわば公然の未完成設計)、(4)設計過程・製造工程の一部裁量のメゾンスティリスタによる容認(後工程による設計変更を上流工程であらかじめ予定し織り込む)、(5)パターン工程におけるパターンメーカーの非CAD作業(CADオペレーターはモデリスタに非ずという考え方)、(6)縫製工程における機械作業と非機械作業の混在(縫製工程で手作業を組み込む一方でしかるべき投資は実行)、(7)アイロン工程の多様などが判明した。また、イタリアの縫製業者にはメゾンの設計を忠実に製品化し納品(ファブカ)型とメゾンスティリスタに設計だけをさせ、あと縫製業者が生産・販売する(アパレルメーカー)型が存在することも分かった。一方、日・伊仏試作比較では、伊仏の"プレタポルテ"における「やわらかさ」の生成を究明するべく、そのポイントを探索し、アームホールや型パットなどの仕様に工夫がみられるなどいくつかの特徴を見出した。メゾンの"プレタポルテ"の設計・生産過程を推論する作業はおおむね達成できた。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (24件)
Asian Textile Conference (ATC10) G2-P-09 & Proceedings CD-ROM, Ueda, Sep. 7-9, 2009 (CD-ROM)
ページ: 1-4
Poster session 2, International Conference on Kansei Engineering And Emotion Research 2010 (KEER2010), Paris, March 2-4 2010 ISBN 978-4-9905104-0-4 (CD-ROM)
International Conference on Kansei Engineering And Emotion Research 2010 (KEER2010), Paris, March 2-4 2010 ISBN 978-4-9905104-0-4 (CD-ROM)
ページ: 1-8
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 75号
ページ: 41-51
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 76号
ページ: 50-56
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 78号
ページ: 45-51
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 79号
ページ: 43-51
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 80号
ページ: 89-96
東レ経営研究所 繊維トレンド issn1346-2970 81号
ページ: 50-57