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2011 年度 実績報告書

海洋有機物の統合的理解-有機物プールの消長と地球表層炭素循環へのインパクト-

研究課題

研究課題/領域番号 20241005
研究機関名古屋大学

研究代表者

田上 英一郎  名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (50133129)

研究分担者 原 成光  宮崎国際大学, 国際教養学部, 教授 (50261243)
西田 民人  名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (60313988)
キーワード海洋有機物プール / 物質循環 / 有機地球化学 / 溶存有機物 / 懸濁態有機物
研究概要

本研究では、海洋有機物プール消長がもたらす地球表層炭素循環へのインパクトを明らかにするために海洋有機物動態の総合的理解を目指す。本研究の目的を達成するための2つのアプローチで研究を推進している。 一つは、ハイスループット分析法を用いて溶存有機物の分布を求め、その特徴から溶存有機物動態を明らかにするアプローチである。二つめのアプローチとして分子レベルで有機物プールの有り体を詳細に把握するアプローチである。本研究課題では、1)ハイスループット分析法によって、観測海域から大量の基礎データを採取し、2)溶存有機物の高分子レベル分析において、丁寧に海洋有機物の高次構造を明らかにすることで、海洋有機物の化学像を洗い出し、3)微生物ループ駆動実験によって、得られた知見をモデル化することが主題である。
本年度は、ハイスループット分析法を用いて懸濁・溶存有機物の分布を求め、その特徴から溶存有機物動態を明らかにするアプローチの研究を、3次元蛍光スペクトル装置を用いて行った。ハイスループットで、海洋の溶存有機物の3次元蛍光特性を把握するために伊勢湾内で船上観測を行った。ろ過試料、未ろ過海水試料をそれぞれ3次元蛍光測定を行った結果、伊勢湾湾奥部から伊勢湾湾口部に至るまで、緯度・深度にかかわらずタンパク様蛍光ならびに腐植様蛍光は観測されたが、未ろ過海水試料の3次元蛍光スペクトルとろ過試料の3次元蛍光スペクトルの差、すなわち、懸濁態有機物の3次元蛍光スペクトルは統計的に有意な差が見られなかった。ろ過試料の3次元蛍光スペクトルについては、周辺の河川からの腐植様物質の流入を反映した分布特徴を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度に調査航海を実施する研究協力機関の都合により、航海が中止となった。再度日程調整を行い、平成24年に航海を実施することとなったため、試料の採取ならびにハイスループット分析法の開発に遅れが生じたため、研究計画はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

ハイスループット分析法の開発を継続し、海洋有機物の海盆スケールでの分布を測定する。また、化学的同定可能成分の全分析および種々の海域・深度で採取された溶存有機物の分子レベル分析、特に化学的未同定溶存有機物の官能基を明らかにし海洋有機物の有機分子-分子相互作用に関する情報の端緒を得る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Photochemical, microbial and metal complexation behavior of fluorescent dissolved organic matter in the aquatic environments2011

    • 著者名/発表者名
      Mostofa, KMG; Wu, FC; Liu, CQ; Vione, D;Yoshioka, T; Sakugawa, H; Tanoue, E
    • 雑誌名

      GEOCHEMICAL JOURNAL

      巻: 45(3) ページ: 235-254

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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