研究課題/領域番号 |
20241009
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
夏原 由博 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20270762)
|
研究分担者 |
永松 大 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20353790)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 教授 (00231150)
今西 亜友美 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (70447887)
藤原 道郎 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (80250158)
深町 加津枝 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (20353831)
|
キーワード | 景観生態学 / 里山 / 生物多様性 / 生態系管理 / 地理情報システム |
研究概要 |
人間活動によって形成・維持されてきた二次的自然である里山を中心とした自然と文化の評価と保全・再生計画について、地理情報システムを用いた手法を検討した。 複数時期にわたって作成された地形図,空中写真などをGISを用いて統合し,過去50年から100年間の景観変遷について明らかにした。中国山地では、過去100年間の時系列林相図を作成して解析を行ったところ、荒地面積は明治33年では占有率21.3%であったが,現在では0.9%と非常に減少していた。南九州低地丘陵では、大きな景観変化は直近の50年間で起きていること、拡大造林政策による針葉樹林の被覆増加のうち広葉樹林および草地からの転用がそれぞれ28%、および26%であったことなどを明らかにした。千葉県北総地域の台地上に樹枝状に切刻した谷津景観の時空間構造の解析を実施した。 景観変化と生物多様性の関係について解析を試みた。数十年前に利用が中止された薪炭林では、ブナ優占とナラ優占では、林床の種構成が明瞭に異なることが明らかになったことから、時系列の林床植生評価が景観スケールで行える可能性が示唆された。また、鳥取県のレッドリスト種84種の分布について1976年と1997年の土地分類の変化について検討した。レッドリスト種は21年間に土地利用が変化していない場所に多く,特に継続して森林に分類される場所に多かった。 里山に関する近年の社会的関心の高まりに関して、里山の持つどのような側面がとらえられてきたかについて整理し、過去数十年の間に変化した要因とその変化の特徴を検討した。丹後半島山間部および琵琶湖西岸では、地域ごとの土地利用と地形との関係、森林利用に関わる技術など、里山景観の形成や変遷と関係する要因について明らかにした。兵庫県淡路島では竹林拡大の現状と管理手法ならびに海岸林における現代の生態系サービスと人間の福利の関係について検討した.
|