(1) 実態調査 環境にかかわる諸計画において学習プロセスを実施した事例を抽出し、文献資料やWebの情報をもとに調査を行った結果、学習プロセスは参加プロセスの中に一体となって組み込まれているものが多いことがわかった。他方、後述するように、社会実験の対象地を環境基本計画の策定を試みようとしている静岡県沼津市に決めたことから、計画分野を環境基本計画に絞り、特徴的な学習プロセスを導入したと思われる9自治体に対して調査を行った。これを通して学習プロセスの局面と手法の類型化を行い、その長所短所を整理した。これは各地で即地的に取り組まれている学習手法を体系化していく際に有用な知見となるものである。 (2) モデル構築 関連する分野の理論をレビューした結果、市民が計画過程で学習すべき内容を大きく、市民としての公共精神、地域環境の総合的認識、環境保全活動の展開のためのノウハウの三つに整理し、それぞれに対応する学習プロセスのモデルとして、協働スキル形成プログラム、市民討論会、行動者会議を構築した。 (3) 実験準備 実験対象地として考えられる自治体を、近接性、信頼関係、支援ニーズ等の観点から収集し、絞り込んだ結果、最終的に静岡県沼津市の環境基本計画の策定において実験を行うこととした。すでに現地視察を行うとともに、先方行政機関との調整を終え、具体的な内容の検討、スケジュールの調整に入った。
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