研究課題/領域番号 |
20241010
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
原科 幸彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20092570)
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研究分担者 |
井関 崇博 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (50432018)
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キーワード | 環境基本計画 / 無作為抽 / 市民討論会 / 沼津市 / 学習プロセス / 討議民主主義 / 協働 |
研究概要 |
(1)実態調査 昨年の調査結果を参考に、計画の評価をNPOが中心とする市民によって行っている大阪府大阪市と、計画策定を市民と行政の協働によって進めた愛知県日進市の詳細調査を行った。大阪市の事例研究では、評価ボランティアという計画の点検評価における市民参加の手法において、ルールと方向づけ、参加者への公式の委託が質の高い提言を生み出すことを明らかにした。日進市の事例研究では、策定の段階から市民と行政の共同作業をサポートしてゆくことで、計画の実行で必要な協働関係を形成できることを明らかにした。 (2)モデル構築 市民討論会の実践において、参加者の学習プロセスのモデルを構築した。市民討論会は、専門知識を持たない無作為抽出の市民が情報提供と討論を経て意思を表明するものである。参加者は、一般市民としての立場に立ち、情報を理解し、他者の意見を理解し、テーマに対する自身の価値観を自覚して、確信した判断をくだす、というモデルを構築した。 (3)実験準備 静岡県沼津市環境基本計画策定の市民参加の場である環境市民会議と市民討論会に向けて、市役所およびコンサルタントと密に打ち合わせをした。市民討論会のためには、テーマである地域の将来像を作成するために現地調査を行った。また、協力者の学生諸君が事前実験をおこない、役割を分担してワークショップ形式の討論会の準備をした。 (4)実験の実施と分析 6月から環境市民会議が9回開催され、計画目標が議論されたが、一般市民の地域の将来像選択を把握する新しい方法の実験として11月1日に無作為抽出の市民による市民討論会を実施した。9月からは環境市民会議を補完し、担い手づくりを目的とする環境協働塾を9回開催した。市民討論会においては、録音分析および質問紙調査によって判断の変化を分析した。環境市民会議及び環境協働塾においては、経過観察と質問紙調査のデータ収集を行った。
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