研究課題/領域番号 |
20241011
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
|
研究分担者 |
中嶋 敏 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00375114)
菅野 新一郎 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (10400417)
田中 耕三 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (00304452)
|
キーワード | ポリADPリボース / DNA修復 / 活性酸素 / 細胞老化 / 癌化 |
研究概要 |
DNA切断に対するヒト細胞の応答機構を解明することがこの研究の重要な目標で、ポリADPリボシル化による新しい制御機構もその中に含まれる。平成20年度はDNA切断に関わる二つの機構を発見した。一つは、転写制御に関わるポリコーム蛋白として知られるヒトPHF1がDNA二重鎖切断に、その修復に関わるKU蛋白質依存的に集積し、細胞の放射線抵抗性に貢献していることである。PHF1はp53やRAD50などの二重鎖切断の損傷応答に関わる主要な蛋白質結合し、シグナル伝達に関わり合っていると考えられる。最近、癌細胞でのPHF1の高発現が報告されているが、その機構の説明になる可能性がある。もう一つの発見は、複製の際のミスを修正する機能であり癌の抑制にも関わり合っているミスマッチ修復蛋白が二重鎖、単鎖切断に直ちに集積するという発見である。その際の集積は、複製の際に示されたように、ミスマッチに結合する事により集積するのではなく、MSH3とMSH2の複合体の場合はMSH3が損傷の場のPCNAに結合する事により集積する。また、MSH6はPCNAに結合するドメインの近傍の領域で損傷に集積する。MSH2は聡H3あるいはMSH6によって損傷現場にリクルートされて来る。このことは紫外線損傷の場にもヌクレオチド除表修復依存的にリクルートされることが分った。すなわち、修復合成の場にはミスマッチ修復が働くと言うことである。
|