研究概要 |
このプロジェクトに関わり我々が新規に単離下酵素活性のある蛋白質は4種類である。PARP1,XRCC1などの単鎖切断修復酵素と、KU80、DNA-PKcs,XRCC4,LIGASEIVなどの二重鎖切断の修復蛋白に結合するPALF蛋白は5'及び3'エキソヌクレアーゼの活性があり、塩基の無くしたサイト(APサイト)ではサイトの直ぐ5'側にニッタを入れるヒト細胞で二つ目のAPエンドヌクレアーゼであることを証明した。この蛋白は、既に知られているエキソヌクレアーゼであるArtemisと同様、二重鎖切断の端を切り取りNHEJに必要な1-2ベースのアニーリングをする可能性があり、米国のMichael Lieberと共同研究をして、実際にin vitroの実験で二重鎖切断がPALFの働きで結合されることを確かめた(論文投稿中)。PALFに似たエキソヌクレアーゼの活性を持つヒト蛋白質をコードする遺伝子としてAPENXと殆ど同一の蛋白をコードする遺伝子APENXLの二つの遺伝子を単離した。これらの活性は明らかになったが、それぞれをPALFとのく見合わせでノックダウンしたときの細胞のDNA切断に対する感受性を解析中である。ポリADPリボシル化を行なうPARPファミリーに属さない新しいポリADPリボースポリメラーゼ(NL-PARP)の機能を更に解析し、論文の準備をしている。この蛋白はDNAクロスリンクの修復に関わるMUS81と結合しノックダウンはシスプラチンなどのDNAクロスリンク剤に感受性である。
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