研究課題
#ニワトリDT40細胞株を使った、変異原をハイスループットにスクリーニングする実験手法の構築(論文投稿中)毎年1,000種類以上の化学物質が、新たに産業界に導入される。化学物質の変異原を検出する為に、日本の化学物質審査規制法(化審法)は、エームステスト(Ames test、細菌の復帰突然変異の検出)を使うことを定めている。エームステストには、擬陽性が多い。そして、エームステストは、フレームシフトを起こす変異原しか検出できず、DNA切断を起こす変異原を検出できない。よって、変異原性がある化学物質のなかの半分しか、その変異原性を検出できない。すなわち偽陰性も多い、という問題がある。化学物質の変異原を検出する為に、化審法で定められた、もう1つの方法は、小核テスト(ヒト細胞の染色体断裂を細胞核の形態観察にて検出)である。この手法も、擬陽性が多い。さらに、染色体断裂を誘導する化学物質しか、その変異原性を検出できないという擬陰性問題もある。これまでの、変異原性を検出するバイオアッセイでは、すべて、"野生型"(=DNA修復機能が正常)細胞が使われている。この手法には、以下の問題がある。野生型細胞は、化学物質が作ったDNA損傷をすぐに修復できることである。ゆえに、野生型細胞を使う限り、そのバイオアッセイの感度には限界がある。感度を上昇させる為に、我々はDNA修復欠損株を使うことを提案する。そして、化学物質に曝露したときに、DNA修復欠損株と野生株とのあいだで、化学物質への応答に差異があれば、それは、化学物質のDNA毒性(変異原性)を反影していると言える。我々は、以上のアイデアに基き、変異原をハイスループットにスクリーニングする実験手法を樹立した。
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