研究課題
基盤研究(A)
親電子物質は分子中に極性の偏りによる電子密度の低い部分を有しており、電子密度の高い生体内高分子の求核置換基(タンパク質のシステイン残基やDNAのグアニン残基等)と共有結合し、組織の壊死やがん化の原因となることが知られている。環境中にも親電子性を有するものは数多く見出されており、主に有害性の観点からヒトの健康との関係が懸念されている。したがって、親電子性環境物質の分子標的および解毒・排泄に係わる因子を明らかにすることは、当該物質のリスク軽減戦略を理解する上で重要である。本研究では、1)細胞内での作用点を知る目的で、親電子性環境物質の分子標的となる反応性システイン残基を有するタンパク質(感知・応答センサー)を同定し、それに起因するシグナル伝達の撹乱、2)親電子性環境物質に対するリスク軽減因子としてのKeap1/Nrf2システムの役割、3)親電子性環境物質の毒性発現に対するNrf2活性化剤の毒性軽減効果についてそれぞれ検討した。親電子性環境物質のモデルとして、ヒ素(東アジア地域での地下水汚染の原因物質)、メチル水銀(食物連鎖と生物濃縮を介して大型食用魚類に蓄積)および多環芳香族炭化水素キノン体(化石燃料の燃焼で大気中に存在)を使用した。
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