本研究は、石西礁湖でリーフ上面域(高波浪域)のサンゴ再生技術の研究開発を行い、インドネシアのマナド海域で再生実験を行って、熱帯海域のサンゴ再生マニュアルの開発に資することを目的とする。サンゴは海洋の基礎生産者であり、なおかつ防波堤機能を有するサンゴ礁の侵食を補修してきた。しかし石西礁湖ではリーフ上面域のサンゴは既に死滅している。この状況は世界的に問題化しており、それに対処できるサンゴ再生技術の開発を目指す。平成20年度は、高強度型着床具の開発、石西礁湖でのリーフ上面域でのサンゴ再生のための基礎調査、マナド海域での実験海域の予備調査等を行なった。高強度型着床具はスラグセラミックを素材として開発を行ない、ほぼ満足できる強度のものを製作できた。石西礁湖ではリーフ上面域の稚サンゴの生残成長過程の研究と着生実験を開始した。石西礁湖では礁湖内のサンゴが度重なる白化で死滅し、この10年間で、サンゴ幼生の供給源が礁湖中央から南部海域であったものが、北側のリーフに移動した。これに伴い幼生の着生適地も移動した。こうした海域のサンゴ生息域の変化に対応できるサンゴ再生技術の開発を進めた。マナド海域では、ブナケン国立公園とマナド周辺の海岸各所でサンゴの群集構造調査と稚サンゴの加入量調査を行ない、着床具への幼生着生海域、静穏な育成海域、再生実験海域の選定を行なった。
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