研究課題/領域番号 |
20241025
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
武田 淳 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60202165)
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研究分担者 |
大野 かおる 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (40185343)
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60273075)
稲田 妙子 北里大学, 理学部, 講師 (60286375)
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キーワード | フェムト秒 / イメージング / ナノバイオ / ポンプ・プローブ分光 / デンドリマー / タンパク / 光制御 / 機能性分子 |
研究概要 |
本研究では、極微量の先端ナノバイオ関連物質の光反応初期過程の時間・周波数特性を瞬時に可視化できる世界唯一のイメージング分光装置を開発し、光捕集小型ナノスターデンドリマーのエネルギー移動効率および修飾タンパク質の酵素反応収率の光制御を行うことを目的としている。 本年度は、第1世代のイメージング分光技術の光学系を見直すことにより、時間分解能をこれまでの300フェムト秒から150フェムト秒と大幅に改善した。その結果、ナノスターデンドリマーのアンテナ分子を選択励起した際のコア分子へのエネルギー伝達は時間分解能以下の超高速で生じていることがわかった。また、コア分子の発光強度及び発光寿命を詳細に測定し、アンテナからコアへのエネルギー伝達効率、1光子吸収当たりの発光効率の絶対値を評価した。これらの結果から、ナノスターデンドリマーの光捕集機構、エネルギー伝達メカニズムを明らかにした。 アゾベンゼン・ジアミノアゾベンゼンを修飾したタンパクにおいては、分子の大きさに起因する光異性化反応と発光の競合関係を見出し、発光の有無が光異性化による酵素反応制御の指標になることを明らかにした。更に、マイクロステップ構造を持つ反射型エシェロンを組み込んだ第2世代のイメージング分光技術を構築し、偏光ゲート相関法によりフェムト秒パルスのスペクトル波形や位相をシングルショットベースで測定することに成功した。また、非線形結晶を強誘電体サンプルに置き換えるだけで強誘電体のフォノンポラリトンの伝播の様子をイメージング計測した。これらを通して、イメージング分光装置の有用性が実証できた。
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