研究課題/領域番号 |
20241029
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90163063)
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研究分担者 |
藤本 健造 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (90293894)
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キーワード | DNAナノテクノロジー / DNAアレイ / DNAデバイス / セルフアセンブリ / ボトムアップ / DNA光クロスリンク / ナノテクノロジー / ナノデバイス |
研究概要 |
昨年度までの研究で、カルバソールヌクレオシドを用いた光クロスリンクによりDNAナノ構造体の耐熱性を向上させる方法、DXABタイルにより緻密で頑強な二次元周期骨格を構築する方法、mDNAを鋳型として用いてDNAタイルを非周期パターンで一次元的に配置する方法、DNA鎖が1本だけ結合した金ナノ粒子を調製する方法、その金ナノ粒子の結合の耐熱性を向上させる方法、などを開発した。今年度は、これらの方法を統合して、最終目標である、DXABタイルからなる耐熱性周期骨格上に金ナノ粒子、ストレプトアビジンタンパク質を二次元非周期パターンで配置した構造体をプログラマブルに構築する方法の構築を目指した。はじめに、当初計画のように、二次元目用のmDNAを鋳型としてDNAタイルストリングを非周期パターンで配置する方法を試みたが、不要なDNAタイルストリングの割り込みにより二次元の周期骨格構造が乱されてしまう問題が生じ、目標の構造体の構築が難しいことがわかった。mDNAを鋳型としたDNAタイルストリングの生成は問題なく行くことがわかったので、長いDNAタイルストリングにターンをつくる特殊な骨格タイルを周期的に入れ、それによりDNAタイルストリングを自律的に折り畳む方法を開発した。この方法により、目的である、周期骨格上に二次元非周期パターンをプログラマブルに構築するための方法が完成とた。また、耐熱性周期骨格の構造を詳しく調べるためにFM-AFMを使用したところ、世界ではじめて、DNAナノ構造体中のDNA二重鎖の詳細な像を得る1ことに成功した。その結果、DNAタイルのレベルでは周期性が十分によく見えるDXABタイルの周期骨格の中に、二つの大きなドメイン構造が存在するころがわかった。DNAナノ構造体の詳細な構造が観察できるFM-AFMは、今後、DNAナノテクノロジーにおいて有力な手段になると考えられる。
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