研究概要 |
本研究の目的は研究代表者が提案した「マイクロ・ナノ流体デバイスを利用して微粒子・液滴・高分子等を連続的かつ高速で分離・分級するための新しい原理(PFF法およびHDF法)」を様々な条件で実証し, そのメカニズムと適用範囲を明確にし, 実用的な応用に繋げることである。 本年度は, PFF法およびHDF法の分離原理の解明にマイクロPIV法を適用し, 流路内の流れ状態の解 明と同時に, 分離対象の粒子の挙動も同時に計測・解析した。このため本プロジェクト予算で, マイクロPIV システムを購入した。主要な研究成果を以下に列挙する。<PFF法>(1)粒子の軌跡と流線の関係:通常の分離条件下では, 粒子の軌跡と流線はぽぼ一致することを確認したが, 比重の大きな粒子や比較的高いRe数範囲では異なる挙動も観察された。(2)ピンチ部における粒子整列の確認:整列現象は,ピンチ部の長さ, 粒子の硬さに関係した。(3)流路形状が粒子分離に与える影響:扁平粒子は流れ方向に配向する可能性が示唆された。<HDF法>(1)粒子の軌跡と流線の関係:枝流路分岐点においては粒子形状, 流速依存していた。(2)マイクロ流路内流速分布:枝流路分岐点ヒおける流速分布は深さに依存していた。流速および流路のアスペクトに対する流速分布の影響を検討する必要が示唆された。(3)主流路壁面での粒子挙動の解明:球状粒子および短径/長径比がそれほど小さくない粒子の場合は, 壁面上を回転しながら移動している様子が観察された。
|