がんをはじめとした生活習慣病の診断には、従来、1塩基多型(SNPs)など先天的なゲノム変化の検出に精力が注がれてきた。しかし、生活習慣病リスクの高い成人・高齢者においては、環境因子・生活習慣などによる後天的なゲノム変化であるエピジェネティクスを解析することが特に重要であることが最近明らかにされてきている。現在、エピジェネティクス解析には煩雑な行程と多大な時間を必要する。本研究では、代表的な後天的ゲノム変化であるゲノムDNAメチル化について、マイクロ・ナノ空間の特性を生かすことで、精密な細胞操作と1分子ゲノム操作および超高速・超高感度メチル化検出反応を実現できるデバイスを開発し、単一細胞からPCR無しに1分子ゲノムDNA上のメチル化検出を行い、現行技術より数十倍の高速化と正確さを兼ね備え、かつメチル化の部位まで同定できる解析システムを実現する。
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