研究課題/領域番号 |
20241033
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陽 完治 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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研究分担者 |
末岡 和久 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250479)
大野 宗一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30431331)
中里 弘道 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (00180266)
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キーワード | スピン / 量子ビット / 量子ドット / InAs / 量子計算 |
研究概要 |
(1) スピン注入および高効率スピン源開発 このマグネタイト/インジウム砒素ヘテロ構造系において半導体上のマグネタイトの結晶成長およびスピン注入デバイスプロセス開発をおこなった.また光学的評価についてはスピン偏極率の確認は、GaAs/AlGaAs量子井戸耕造での近赤外円偏光測定を行うための測定系の構築を行ないスピンダイオードからの発光を確認した。 (2) チャンネル電子のスピン制御 スピン軌道相互作用の大きなInAs系チャンネルでは、一般にバルク反転非対称性と構造反転非対称性とが釣り合って相殺すると位相が一斉に揃って歳差運動をする、いわゆるPersistent Spin Helix (PSH)運動をするようになるが、ヘテロ構造を工夫すると非常に大きなスピン軌道相互作用が得ちれることが明らかになった。このような特異なヘテロ構造においてはラシュバ係数の符号を容易に反転させることができること、すなわちPSH運動を実現するための条件を容易に設定できる可能性が出てきた。 (3) スピントランジスタのチャンネルから量子ドットへのスピン注入 「量子もつれ」状態の実現は、スピン源のスピン偏極率が80%以上で明瞭になるが従来の元素金属の強磁性体(鉄、コバルト、ニッケル)ではもつれ状態の検出は難しいことを計算によって示すことができた(Yuasa et.al, Phys. Rev. B 2009)。そのため、本項の最終目標である「量子もつれ」の確実な評価のためには上記(1)および(2)のさらなる成果を待たねばならない。
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