研究課題/領域番号 |
20241034
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (10345663)
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研究分担者 |
富取 正彦 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (10188790)
高村 由起子 (山田 由起子) 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (90344720)
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キーワード | 分子デバイス / エレクトロスピンニング / 配向制御 / 有機薄膜太陽電池 |
研究概要 |
機能性有機膜を原子スケールで制御された基板や電極表面へ固定化したハイブリッドデバイスが注目されている。特に、各種有機デバイスに利用されているITO基板への自己組織化単分子膜(SAMs)の固定化は重要な基盤技術である。しかし、SAMsを酸化物表面に画定化させる反応は限定されていた。本研究では、ヒドロキシル基とアルデヒド基との反応によってアセタール化合物が生成されることに着目し、芳香族ジアルデヒド化合物(テレフタル酸アルデヒドTPA)の一方のアルデヒド基を、ITO基板表面のヒドロキシル基とアセタール化反応させることによりTPA分子をITO基板上に固定化することに成功した。FM-AFM観察を行ったところ、TPA分子の配列に相当すると推定される規則的な凹凸が観察され、ベンゼン環同士がface-to-faceでスタック配列していることを見出した。この様にITO上への有機分子の新しい固定化方法としてアセタール反応の有効性を確認できた。次に上記の方法で表面修飾したITO基板を用いてデバイス特性への影響を調べた。その例として、テレフタルアルデヒド(TPA)をITO表面に固定化した修飾ITO基板を用いて有機薄膜太陽電池を作製した。すると、ITOのバッファー層としてよく用いられるPEDOT:PSSと同等の優れた発電特性を示すことが分かった。上記の研究成果に加えて、有機EL素子において有機/有機界面での界面分子の配向制御が素子の電流電圧特性に及ぼす影響を調べた。その結果、分子配向性の向上に伴って電荷の注入効率が一桁以上向上する事を見出だした。
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