研究概要 |
1. 焦電センサーに適した強誘電体薄膜の作成 1-1 強誘電体薄膜の低温成長強誘電体の形成には,溶液ベースの有機金属分解法を用いた.強誘電材料としてPZTを用い,強誘電特性の向上とプロセスの低温化を行った.その結果650℃の急速加熱が有効であることが分かった.また,局所レーザー加熱システムの構築およびレーザー光熱吸収層の検討を行った. 1-2 SPMによるナノ圧電特性解析走査型プローブ顕微鏡により,焼結条件の異なる強誘電体薄膜の圧電応答特性から,ナノチューブチャネルが幾つかのPZT結晶ドメインに亘っており,もっとも大きな結晶ドメインの分極特性がデバイス特性に影響することがわかってきた. 2. ナノチューブの強誘電体上への配置技術の開発 2-1 CNTの検討 アルコールCVDで成長した単層ナノチューブを他研究機関で報告された半導体・金属の分離法を適応しそのプロセスの最適化をおこなった. 2-2 CNT分散法の検討基板に粗に成長させた状態や配向制御したCNTの転写についても検討した. 3. ナノチューブチャネルの強誘電体薄膜上でのナノスケール動作解析 3-1 焦電特性の測定 ゲート絶縁膜に誘起された電荷によりナノチューブチャネルに流れる電流の変調特性を測定した.厚膜デバイスでも光応答を示した.また,単チャネルでなく薄膜タイプのFETとの比較を行った.さらに,厚膜PZTによるFETについても検討し,熱の効果と電荷注入の効果が光の応答時間の時定数で分離できることを明らかにした.3-2KFM/EFMによる電界分布調査作製したデバイスの各状態における表面電位分布を測定し,どの程度のエリアがデバイス特性を支配しているのかを解析し,各PZT結晶ドメインが独立し動作していることがわかった. 4. 焦電センサーに適したデバイス構造探索 デバイスの高感度化と高速応答性を目指し,有限要素法により電界分布と熱拡散に関して引き続き検討を行なった.また,メンプレン構造のデバイスプロセスについて検討した.
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