研究概要 |
1. 焦電センサーに適した強誘電体薄膜の作成 (1) 強誘電体薄膜の低温成長強誘電体の形成に,有機金属分解(MOD)法を用い表面平坦性の高い強誘電薄膜作成条件を探索した.この結果,下地となるPt薄膜の形成条件を最適化し,ひび割れのない薄膜の形成に成功した. (2) SPMによるナノ圧電特性解析走査型プローブ顕微鏡により,強誘電体薄膜のCNTチャネル近傍の圧電応答特性の分布を測定し,分極電界が強誘電体ドメインに依存しており素子間バラツキの要因であることがわかった. 2. ナノチューブの強誘電体上への配置技術の開発 単層ナノチューブをアルコール中に分散し,交流電気泳動の最適化を行った.また、ゲルによる半導体-金属分離を行い,界面活性剤の濃度勾配によりカイラリティの異なるCNTの分取に成功した. 3. ナノチューブチャネルの強誘電体薄膜上でのナノスケール動作解析 (1) 焦電特性の測定ゲート電極部に断続光を照射しチャネル電流の変調特性を測定した.半導体特性を強く示すデバイスでは焦電効果にCNTの光伝導効果が重畳され,焦電効果とは逆の光誘起伝導率変化をすることがわかった. (2) KFM/EFMによる電界分布調査チャネルCNTに電界が集中しPZT膜が絶縁破壊を起こすことが明らかになった.これを解決するために,チャネルをイオン液体で覆うことで電界の局所集中を避けた.この結果,強誘電体の分極に応じたチャネル電流の変調が可能なデバイスの収率が著しく向上した. 4. 焦電センサーに適したデバイス構造探索 デバイスの高感度化と高速応答性を目指し,有限要素法により電界分布と熱拡散,およびメンブレン構造に関して検討した.
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