研究課題
<平成20年度の研究実績の概要>本研究の課題は、「情報化ネットワーク社会に向けた専門的数値技術ライブラリの研究と開発」であり、数理ファイナンス/金融工学に関連する最適化技術、応用統計学、確率解析等の数値計算の最先端技術の開発を行うことを目標とする。平成20年度の研究実績は次の通りである。(1) 応用統計学の基本的問題である判別問題に対し、2次関数や凸関数を利用したミニマックスアプローチを提案し、その手法の理論的解析を行った。また、不確実的な要素 (リスク) を考慮した最適化問題を解くため、半正定値計画問題のソフトウェアの詳細について解説記事を書いた。(2) 多項式最適化問題において、現実問題によく現れる疎性を利用することにより、計算時間を大幅に押さえる手法を提案した。また、その手法をプログラミング言語で実装し、ソフトウェアをインターネットを通じて公開した。(3) 偏微分方程式や拡散過程の生存確率の数値計算として、半正定値計画のソフトウェアを用いる手法を提案し、実際に数値実験を行った。また、確率微分方程式における新しい高次の弱近似スキームについて理論的解析を行った。(4) 情報化ネットワーク社会にかかせない暗号化理論の研究を行い、各種の暗号法の強度について成果を得た。(5) インターネット技術を用いて、多くの研究者、実務家が自由に本研究課題で目指す数値計算ライブラリを利用すると同時に利用者もまた主体的にライブラリの構築に貢献できるようなシステムの準備を行った。以上の研究成果を合計20本の論文 (査読付き) と1冊の図書で発表を行った。また、学会やワークショップで計21件の発表を行い、上記の研究成果を内外に周知した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 20件) 学会発表 (21件) 図書 (1件)
Computational Optimization and Applications Vol. 42
ページ: 31-41
IEICE Transaction on Information Vol. E92-D(印刷中)
IEICE Transaction on Fundamentals Vol. E92-A No. 1
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Finance and Stochastics (印刷中)
Journal of Japan Industrial Management Association (日本経営工学会誌) Vol. 60 No.3E(印刷中)
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Journal of the Operations Research Society of Japan Vol. 51 No. 2
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応用数理 Vol. 18
ページ: 2-14
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電子情報通信学会論文誌「基礎・境界 : A」 Vol. J91-A No.3
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IEICE Transaction on Fundamentals Vol. E91-A No. 1
ページ: 94-106
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