研究課題/領域番号 |
20241038
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
水野 眞治 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90174036)
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研究分担者 |
小島 政和 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90092551)
比嘉 邦彦 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (50282877)
二宮 祥一 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (70313377)
尾形 わかば 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (90275313)
中川 秀敏 一橋大学, 大学院・国際企業戦力研究科, 准教授 (30361760)
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キーワード | ファイナンス / 最適化 / 数値解析 / 情報ネットワーク |
研究概要 |
本研究では、数理ファイナンス/金融工学に関連する最適化技術、応用統計学、確率解析等の数値計算の最先端技術の開発を行うことを目標とする。平成23年度の主な研究実績は次の通り。 (1)センサーネットワーク問題の半正定値緩和に対して、問題特有の疎性を広範囲に利用することにより、効率良く緩和解を求めるアルゴリズムを構築し、それを実装したソフトウェアを開発しインターネット上で公開した。 (2)線形・非線形行列不等式問題に対して、行列の正定値補完理論を利用することにより、陽には現れない疎性の導出に成功した。これにより、大規模な問題を効率良く解けることが可能となった。 (3)線形計画法を解く最も基本的なアルゴリズムである単体法は計算量の解析が十分でないことが問題であった。今回の研究により、Dantzigのシンプレックス法や双対シンプレックス法で生成される解の数の見積もりを行うことに成功した。 (4)組合せ最適化問題の非負半正定値計画緩和は緩和の質は良いものの、解の精度に問題がある。面的縮小を適用することにより、解の精度を向上させる枠組みを提案した。また、近似的な内点法を行うことにより、計算時間の短縮に成功した。 (5)動的資産配分問題に対して、カーネル法を適用することにより、非線形な制御を可能とした。また、理論上有効だと言われている資産比が一定となる再分配戦略を研究対象として、多項式最適化を適用する、非線形な取引コストを組み入れる、大域的最適化を行う、といった複数の研究を行なった。 (6)その他、数理ファイナンスにおいて中心的な研究課題である整合的なリスクメジャーについて研究を行なった。また、コミュニケーション媒体の選択理論についての研究をまとめた。 以上の研究成果を合計16本の論文(査読有14本)で発表を行った。そして、学会やワークショップで計12件(招待講演3件)の発表を行い、内外に周知した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一の目標であった最適化技術、応用統計学、確率解析等の数値計算の最先端技術を開発するため、研究代表者や分担者および連携研究者は4年間にわたり精力的に研究を行い、それらの成果をまとめて数理技術ライブラリを構築する段階まできている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度が本研究課題の実施最終年度である。よって、これまでの研究を総括した上で、数理ファイナンス/金融工学に関連する最適化技術、応用統計学、確率解析等の数値計算の最先端技術を開発し、その技術の解説などを加えた上でインターネット上で公開することにより、専門的数理技術ライブラリを完成させる予定である。
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