研究課題/領域番号 |
20241039
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲垣 敏之 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60134219)
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研究分担者 |
伊藤 誠 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (00282343)
池田 良彦 東海大学, 法学部, 教授 (60212792)
芳賀 繁 立教大学, 現代心理学部, 教授 (10281544)
栗田 多喜夫 産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 副研究部門長 (10356941)
高橋 宏 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80454156)
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キーワード | 人間機械協調 / ヒューマンファクター / 権限と責任 / 動作認識 / モーションヒストリー画像 / 立体相互相関特徴 / 閾下意識情報提示 / 超音波域情報提示 |
研究概要 |
人の認知・判断特性と交通移動体の特徴を踏まえた多層リスク制御技術の開発と過失に関する新しい法理論の提案を目指し、(1)ヒューマンファクター、(2)権限と責任、(3)技術的支援の3つの研究アスペクトを設けて研究を実施した。平成21年度の研究成果は以下のとおりである。 (1)ヒューマンファクター研究アスペクトでは、状況認識の3つのレベルの交通移動体依存性を記述するための分類法、高度技術に基盤を置く運転支援システムへの運転者・操縦者の「過信」と「過度の依存」を解析・表現するための基盤理論を開発した。また、情報提示の方式とリスク補償現象の関連を認知心理学実験によって明らかにした。 (2)権限と責任研究アスペクトでは、システム性事故における刑事過失責任を問う根拠について、過失の構成要素である予見可能性と結果回避可能性の関係を分析した。また、ヒューマンエラー事故における調査と操作の問題、過失論、責任者の処罰等に関する問題を、「公正な文化(Just culture)」の観点から考察した。 (3)技術的支援研究アスペクトでは、動画像から行動を認識するための立体高次局所自己相関特徴を局所的な動き属性を扱えるように拡張した立体相互相関特徴を提案し、行動認識のための評価用動画像データを用いて認識性能の改善を確認するとともに、顔画像からディストラクション状態での車線変更意図推定手法を開発し、着座接触圧からディストラクションにつながる運転者の姿勢・動作を高信頼度で推定する技術を開発した。また、交通環境に潜むリスク出現の不確かさを含むリスク警報による注意感度向上の手段として、視覚的閾下刺激、聴覚的閾下刺激を用いる方法を検討し、その特性を解析・評価した。
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