研究課題/領域番号 |
20241040
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松尾 亜紀子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70276418)
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研究分担者 |
笠原 次郎 筑波大学, システム情報工学研究科, 准教授 (60312435)
三浦 啓晶 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (30513296)
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キーワード | 衝撃波 / 爆発 / 燃焼 / 火災 / 自然火災 |
研究概要 |
平成21年度は、事故発生時の被害がもっとも顕著に見られると思われる曲がり部でのデトネーション波の伝播挙動に焦点を当て、実験と数値解析の両面から現象の解明と被害予測を行った。実験によるアプローチとしては、曲がり部における管直径や曲率の違いによるデトネーション伝播の特徴について高速度ビデオによる非定常な波面の撮影を行い、世界で始めてその詳細構造を明らかにすることができた。その結果から、ある一定の曲率を下回ると伝播する曲がり部におけるデトネーション波面は、ほぼ一定の形状をしたまま伝播することが明らかとなった。これはデトネーション波が各波面位置においてCJ速度を維持したまま伝播するために波面を大きく歪めるという事実を示したものである。つまり、曲がり部においてデトネーション波は、なんら減衰することなく安定して伝播を続けており、管内におけるデトネーション発生時には、被害が広域に拡大することを予見している。数値解析によるアプローチとしては、管直径が小さい場合に生じる非定常な波面変化を捉え、局所的及び局時的な壁面への負荷の存在が明らかとなった。以上より、実験観察と数値解析の両面から曲がり部を伝播するデトネーション波の波面構造の詳細が解明された。また、衝撃波及びデトネーション波の液相への入射問題へ被害予測を拡張するために、気体・液体の統一解法の完成に向けて、数値解析コードの検討と一部開発に着手した。
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