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2008 年度 実績報告書

神経幹細胞の運命転換における核クロマチンの「グローバルな」状態変化の意義

研究課題

研究課題/領域番号 20241044
研究機関東京大学

研究代表者

後藤 由季子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70252525)

キーワード神経細胞 / 幹細胞 / クロマチン
研究概要

神経幹細胞はニューロンへと運命決定しても、すぐにはニューロンとしての形質を発現せず、まず適切な場所へと移動してから成熟する。ニューロンが成熟する際には、軸索・樹状突起形成、膜電位の分極など、様々な形質が一斉に現れる。細胞の形質発現は、遺伝子の転写によって引き起こされることがよく知られているが、遺伝子の転写を制御するメカニズムの1つにクロマチン状態の制御がある。クロマチンがあまり凝集していない「ゆるい」状態にある部位の遺伝子は、転写因子などが接近しやすいために転写が活性化している。これまで、こういったクロマチン状態の変化はそれぞれの遺伝子座ごとに「ローカルに」変化していると考えられてきた。しかし、ニューロンの成熟のように様々な形質が一斉に発現するメカニズムがローカルな遺伝子座の変化のみで説明されうるのか、あるいは他にも何らかのメカニズムがあるのかは明らかになっていなかった。我々は、ニューロンの成熟過程においてクロマチン状態がどのように変化しているかを調べるためにクロマチン分画実験を行った。すると、ある塩濃度の溶液やDNase処理によって遊離するヒストンの量がニューロンの成熟に伴って上昇することがわかった。また、FRAP (Fluorescence Recovery After Photobleaching)実験によりクロマチン分子の移動度を調べたところ、ニューロンの成熟に伴って移動しやすくなっていることがわかった。これらの結果は、ニューロンの成熟に伴ってクロマチン状態が核全体、ゲノム全体で「グローバルに」ゆるくなったことを示唆している

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] JNK phosphorylates Syt 4 and enhances Ca2+-evoked release2008

    • 著者名/発表者名
      Mori, Y., et.al.
    • 雑誌名

      EMBO J. 27

      ページ: 76-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Selection of differentiating cells by different levels of delta-like 1 among neural precursor cells in the developing mouse telencephalon2008

    • 著者名/発表者名
      Kawaguchi, D., et.al.
    • 雑誌名

      Development 135

      ページ: 3849-3858

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scaffolding function of PAK in the PDK1-Akt pathway2008

    • 著者名/発表者名
      Higuchi, M., et.al.
    • 雑誌名

      Nat.Cell Biol. 10

      ページ: 1356-1364

    • 査読あり
  • [学会発表] Polycomb regulation of neural stem cell fate2009

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Gotoh
    • 学会等名
      Keystone Symposia, Chromatin Dynamics and Higher Order Organization
    • 発表場所
      Coeur d'Alene, Idaho, USA
    • 年月日
      20090225-20090302
  • [学会発表] Temporal regulation of neocortical neural precursor cell fate2008

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Gotoh
    • 学会等名
      Gordon Research Conference "Molecular and Cellular Neurobiology"
    • 発表場所
      The Hong Kong University of Science & Technology, Hong Kong
    • 年月日
      20080608-20080613
  • [学会発表] Regulation of neural stem cell fate during the mouse neocortical development2008

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Gotoh
    • 学会等名
      Houston/SanFrancisco Joint Meeting on Vertebrate Organogenesis
    • 発表場所
      SanFrancisco USA
    • 年月日
      2008-11-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/celltech/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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