研究課題/領域番号 |
20241051
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森井 孝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90222348)
|
研究分担者 |
田井中 一貴 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (80506113)
|
キーワード | モジュール / センサー / 分子認識 / ケミカルバイオロジー / RNA / RNA-ペプチド複合体 / インビトロセレクション / リセプター |
研究概要 |
本研究では、RNA-ペプチド複合体(RNP)の各サブユニットに「機能性モジュール構造」を導入して、蛍光RNPセンサーとRNP酵素を設計・作製する合目的な方法論を確立することを目的とする。平成20年度の研究では、以下の機能性RNA-タンパク質複合体設計原理を確立する事を目的とした研究項目を実施した。 (1) RNAモジュール構造をもとにしたセンシングRNPの構築 ATP結合性RNPセンサーの中で、ATP結合に伴う蛍光強度変化が大きいRNPセンサーのRNA二次構造を解析し、ATP結合部位とペプチド結合部位の間に特徴的なRNA二次構造モジュールを発見した。このRNA二次構造モジュールを蛍光性RNPセンサーに導入して機能解析を行った結果、この二次構造モジュールはペプチドサブユニットN末端に存在する蛍光分子の蛍光強度変化に寄与する二次構造モジュールであることが明らかになった。このRNA二次構造モジュールを利用することにより、既知のRNAアプタマーを効率よく蛍光センサーへと変換することが可能になる。 (2) ATP結合性RNPセンサーの三次元構造解析 7-メチルクマリンを蛍光分子として有するATP結合性RNPセンサー(RNP16)をもとにして、13Cおよび15NでラベルしたRNP16を用いることにより、NMRによる三次元構造が解析を行った結果、RNP中の二つのU塩基と基質アデノシンが結合することが明らかになった。 (3) 細胞抽出液中で使用可能な機能性RNP複合体の構築 RNA-ペプチド複合体(RNP)中の、3'-末端を酸化したRNAとペプチドのC末端に導入したヒドラジド基とを反応させることにより、共有結合により安定化したRNPを構築した。共有結合化したATP結合性RNPセンサーは細胞抽出液での利用が可能であった。
|