研究概要 |
平成22年度は、前年に引き続き、以下の通り、研究を実施した。 1,分類標目の「和古書所蔵目録」への適用実験 昨年度に引き続き、国文学研究資料館所蔵の和古書約1万2千点の各書目について「日本古典籍分類表」の分類語の適用を進め、従来の分類について修正を加えた。その結果、一般和古書については江戸時代の小説類を残してほぼ終了した。 2,和刻本の調査と「和刻本分類表」の考案 和刻本について調査を行い、「和刻本分類表」の作成を試み、「準漢籍」に分類されている日本漢学文献等について、分類概念を再検討し、新たな分類項目の提案に向けて準備を進めている。 3,検索システムの策定 「日本古典籍総合目録」の検索インターフェイスの策定について検討を進めた。その結果、和古書1万点について、「日本古典籍総合目録」における分類と「日本古典籍分類表」における分類の対照実験を試みることができた。 4,デジタル画像化の推進 国文学研究資料館所蔵の和古書のうち、挿絵の付いたものを中心にデジタル化を進め、分類の参考とした。 5,研究会の実施 研究会を4回ほど開催し、古瀬「国文学研究資料館の公開データベース」、神作「俳書の分類と実践-尾道大学下垣内文庫目録編纂次第-」他の研究発表が行われ、日本古典籍総合目録の実態と問題点について討議が行われた。 6,北野克コレクションの整理 国文学研究資料館所蔵の北野克コレクションの軸物類約300点について、書籍以前の資料に対する分類上の観点を加味しつつ、調査、整理を進めた。 7,海外及び国内の研究機関、所蔵機関の調査、打合せ EAJRS年次会(イタリア、ジェノバ)に参加した。またボストン美術館、パリ国立図書館の和古書調査を実施した。
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