研究課題
研究期間の最終年度も、引き続きセクションごとに個別の研究成果を発表した。まず、言語文化セクションでは、ピリニャークやソルジェニーツィンなどのソヴィエト文学や、ナボコフなどの亡命ロシア人の文学、ソローキン、ペレーヴィンなどの現代ロシア文学についての論考を雑誌論文や学会報告という形で公表した。表象文化セクションでは、ショスタコーヴィチの生涯と創作について新たな視点から考察した論文、イリヤ・カバコフの作品についての考察を発表した。政治文化セクションでは、冷戦時代とその終焉の過程を展望した研究を行い、その成果を公表した。とくに、冷戦時代のソ連社会についての近年の研究動向をふまえて考察した研究、民族問題についての再検討、冷戦の終焉とソ連解体へと至るソ連の政治社会体制について雑誌論文や単行書を発表した。以上のセクションごとの研究をふまえ、この研究課題と研究組織による総括的なイベントとして、2011年1月22日に国際シンポジウムを開催した。これは、「自由への試練:ポスト・スターリン時代の《抵抗》と《想像力》」と題して、海外からもゲストを招いて公開シンポジウムとして実施した。まず、マイケル・ニコルソン(オックスフォード大学)は、「《雪解け時代》のしかめ面:ソルジェニーツインとシャラーモフ」という論題で報告を行い、続いてリュドミラ・サラスキナ(ロシア国立芸術学研究所)が「《雪解け時代》の文学:その勝利と挫折(パステルナーク、ソルジェニーツィン、フルシチョフの「コンサート」)」というテーマで報告を行った。さらに、貝澤哉「液状化するスクリーン:雪解け以後のソ連《ヌーヴェルバーグ》映画」、亀山郁夫「ショスタコーヴィチの贖罪」という報告を行った。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (10件) 学会発表 (7件) 図書 (9件)
スラヴ文化研究(東京外国語大学)
巻: 9 ページ: 29-37
青山学院女子短期大学総合文化研究所年報
巻: 18 ページ: 97-113
戦争と異世界-現代シア文学とスターリニズム-
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アリーナ(中部大学編集、風媒社発行)
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<<Tolstoy, Live in Seoul>>: The International Tolstoy Conference in Seoul 2010 (Korean Association of Russists, 2010)
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Boris Lanin & Tetsuo Mochizuki (eds), Sorokiniada : Eu rasia Talks about Sorokin. Comparative Studies on regio nal Powers No.5(2010.11)
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Khel zokhial suJlal(言語文学研究)(モンゴル科学アカデミー言語文学研究所紀要)
巻: 3巻(通35巻) ページ: 179-190
スラヴ文化研究
巻: 9巻 ページ: 46-51
Shkola teoreticheskoj poetiki : sbornik nauchnykh trudov k70-letiyu Natana Davidovicha Tanarchenko.(理論詩学派-ナタン・ダヴィードヴィチ・タマルチェンコ教授70歳記念論集)
巻: 1 ページ: 341-346
経友
巻: 117 ページ: 146-150